CBRNE 災害におけるリスクコミュニケーション上の今後解決すべき課題は?
過去の事例から検証した結果、以下をはじめとした課題が浮かび上がった。
①組織内(医療者間)リスクコミュニケーション
1. 公式的でシンボリックな情報と方針の伝達
2. 公式的な情報伝達経路の構築
3. 結果的に正しかったのか検証する方法の構築
②組織外(対患者)リスクコミュニケーション
1. リスクを正しく伝える戦略
2. 原子力に対する無知
3. ガイドラインを打ち出す難しさ
4. 医療者が法的責任を負うことができず対策を実行できない
①を見ると、医療者が確実といえる情報がなくインフォーマルな曖昧な情報や状況判断のなか対応する実態がうかがえる。シンボリックかつフォーマルに情報や組織としての意思決定が伝えられることで医療者がより良いパフォーマンスを発揮するといえる。
②の対患者や一般市民とのリスクコミュニケーションにおいては、医療者、患者(一般市民)双方のリスクに対する知識がほとんどないなかで対処する必要があることがわかる。そのなかで、どのようにリスクを伝えることが有効か検討する必要がある。また、有効な対処法がある場合も、万が一の場合に責任をだれが負うのか、誰の責任の下で実行するのか躊躇し、有効な手立てを打つことができないということが起こり得ることが分かった。一医療機関や一医療者の問題とせず大きな枠組みの中でどう対処するのか検討する必要がある。
Learning CBRNE
CBRNE災害への医療者の対応に関する情報を発信します。 検討する必要がある課題、学術的知見、トレーニングの方法を中心に発信します。
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